OGC 2011 – Open, Global, Contents
http://www.bba.or.jp/ogc/2011/
本日は終日このセミナーに行っておりました。オケタニです。
去年の同セミナーには発展市場という事もあって会社から「お金出して
あげるから行ってもいいよ」と言ってもらえたので行ってきたんですけども、
ぶっちゃけ我が社はその後もこの分野におきましてはいまいちゴニョゴニョ…
なものですから、何万も銭出して行くわけにもいかないよね( ´・ω・)
という事で今年は参加見送りを決めこんでいたわけです。
ところが、震災の影響で元々3月の予定だったのが延期になり、更に
「復興支援」という事で参加費が 3,000 円というお値頃プライスに
なっておりましたので「お、これなら自腹で行けるジャン( `・ω・´)」
という事で急遽参加となったのでありました。
内容的には7~8割方「これから対スマフォに強化していくんで、ウチの
サービス使ってねヨロシク」というソーシャルプラットフォーム及び関連企業の
営業トークでしたので人によってはどうでもいい内容だったんじゃないかと
思いますけれども、個人的には3つほど面白かったセミナーがありまして、
その3つというのが
(1) スマートフォン時代におけるコンテンツビジネス
慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授
夏野 剛 氏
スマートフォンが市場で大躍進する中、モバイルコンテンツビジネスにも
変化が求められています。端末やコンテンツプラットフォームがグローバル化
していく中にあって、これはコンテンツビジネスの国際展開のチャンスと
捉えることもできると思われます。「モバイル先進国・日本」の再起動に
向けて、コンテンツビジネスの将来像を夏野様に語っていただきます。 |
(2) リアルとバーチャルを区分けの意味がない時代を生きる 「期待」と
「薄気味悪さ」を抱えた人はどこへ向かうのか?
国際ゲーム開発者協会日本 代表/ジャーナリスト
新 清士 氏
(3) ソーシャルアプリのグローバル展開におけるノウハウ・戦術 一挙紹介
株式会社バンダイナムコゲームス
第2スタジオ 第2-5プロダクション 第1課 チーフ 定元 邦浩 氏
ソーシャルプラットフォームやスマートフォンの市場が急拡大する中、
日本企業のビジネスフィールドもグローバルへと変化しています。
コンテンツの海外展開が簡単にできるようになる一方、サーバー環境や決済の
問題、あるいは外国語対応など解決すべき課題もあり、本セッションでは、
それぞれの分野におけるプロフェッショナルが、事例を交えてノウハウ・
戦術をご紹介します。 |
の御三方の御講演でした。
(2)(3)の話は、まぁ取り敢えず置いといて、(1) の夏野氏はさすが最近は
フジテレビ『とくダネ!』にまで出演されている方なだけに、トークの
絶妙さは「さすが」の一言でありました。今回の会場にレッドブルのお姉さんが
プロモーションで来てたんですけども、話の掴みにそのレッドブルと
オロナミンCを引き合いに出して「日本発のプロダクトはガラパゴス化へ」
という話に繋げたのは、あ・こりゃ相当手慣れた導入部なのであるな、と
感じ入りました。
その後、盛んに「i-mode は実はオープンなんだよ!」
「ボクは iPad と Twitter を使いこなすオープンでソーシャルな人間だよ!」
というアピールをされておりましたけれども、それだけ強弁するのが却って
怪しい。そう、やはり夏野氏こそが The King of GALAPAGOS なので
ありましょうッ!!!
…と、i-mode を引き合いにあちこちで揶揄されるのが本人的には
「わかっとらん!」なんだそうな。
そんな与太話はともかくとして、若干1~2名程その講演の内容を知りたい
という方がどこかにいそうな匂いをふと感じましたし、どうせ社内報告用に
書き起こさなきゃならないんだし、という事でメモにとった限りの講演の内容
(主にスライドの内容になりますが)をテキストに起こしておきます。
あくまで自分用に書き起こすだけなので、まとめ方がどうだとか
体裁がどうだとか、そーいう事を Twitter とかメールでコソーリ言ってこないで
くださいネ m9( `・ω・´)。あと、途中追いつかなくって抜けてる箇所とか
あるけど堪忍な(´・ω・`)。
・世界におけるスマフォブームと日本への影響
・日本におけるスマフォブームとの違い
・それらが日本のコンテンツビジネスに与える影響
(※NOKIAによる「スマートフォン」の定義=$250以上の高機能携帯)
業界進化…通信業界からネット業界主導へ
・サービスの進化…AppleとGoogle主導へ
→メーカーの枠を飛び越えてしまった
・主導権を失った端末メーカー(世界)
・主導権を放棄した(※)キャリア(日本) (※敢えて手放した)
ユーザー利益の最大化へ
・コントロールされた進化スピードから、ユーザーが求めるものを
徹底的に追求する進化スピードへ
・ネットワーク効率は軽視方向へ
→キャリアは基地局を増やすしかない
キャリア主導の場合;
ネットワーク効率を重視するため速度は制限され遅くなる
→軽くするためにコンテンツサイドでケータイ専門サイトを
作って対応していた
・水平分業のビジネスモデルへ(日本)
垂直統合のビジネスモデルへ(世界)
タッチパネルと汎用OS(一般論)
-タッチパネルの進化は著しく、以前あった使いにくさを払拭した
-汎用OSというのはウソ(iOS→汎用ではない)
-アプリの原点は JAVA ケータイ
PC の延長線上
-ネット接続が主機能で、音声は副機能
-セキュリティ・責任範囲はPCの延長線上(=ユーザーの自己責任による)
電話(=非常に厳しく制限される)の延長線上から生まれた高機能
ケータイとは考え方が違う。
高速回線が前提
-3G だけでは不足
-高速であればどんな回線でも可
[世界] インターネット接続可能なケータイ
-海外ケータイ→eメールすら満足に使えない、ウェブは論外(WAPで代替)
-2000年代前半に日本で起こった事が世界ではスマートフォンによって
引き起こされている。
[日本] キャリア主導ではない、海外と共通のタッチパネルケータイ
-iPhone が全てのベンチマーク
-機能的には不足部分もある(ワンセグ等)
PC技術でケータイが作れる時代になった(Apple・HTC)
通信技術はコモディティ化(2000年代後半)
[世界] 初めての本格的ネット接続ケータイ
-欧米ユーザーにとっては衝撃的(eメール、ウェブ、アプリが使える)
-NOKIA ケータイに対するアンチテーゼ (NOKIA=通信業界)
-ポストペイドマーケットの補助金
オペレーターはポストペイドユーザーを増やしたい
=長く使ってくれる→長期的・安定的収益の確保
※従来の海外ケータイ=プリペイド多い→加入者数は稼げる
[日本] キャリアの方針変更による進化・変化
-利益率を優先させるため、自らリスクを取りたくない
・キャリア開発サービスは成功すればおいしいが、失敗するのは怖い。
・キャリアはネットに疎い。
・補助金=大きいコストだった。
-利益率の最大の障害=端末調達コスト
(差別化を犠牲にしても目先の利益が大事)
-iPhone 対抗のためにガラケーよりも手厚い補助金
徹底したネットユーザーセントリック
-回線容量の不安等は無視
-ビジネスモデルは PC ネットの延長線上
-自己責任の範囲を広くし、新しいサービスを出やすくする
世界一体市場へ
-国ごと・キャリアごとの差が最小化
-主プレーヤーはグローバルネット企業
回線容量パンクの恐れ
ビジネスモデルの未整備
・課金プラットフォーム
・ドミナントポータル
・広告モデルの限界→PCよりシビア(表現範囲が狭いから)
一部のサービスは後退も
・国ごとに異なる方式・制度は残る
・スマートフォン=万能ではない
日本のキャリア
トラフィックの容量を最大化させるのが目的
(Traffic Volume Maximization)
Google
広告収入の最大化 (Ad Revenue Maximization)
Android の普及は「手段」
Google で検索させるために Android・Chrome は無償で提供
Apple
ハードの価値を最大化 (Customer Retaining Maximization)
ハードウェアを売るのが目的
モバイルと PC の実質上完全融合
-コンテンツもアプリも、そしてプレーヤーも市場は完全融合させる
-インターネットプレーヤーにとっては大チャンス
-モバイルプレーヤーにとっては大危機 (ライバル増えるから)
主役はアプリからブラウザへ
-克服できない端末のスペック差
-厳しいアプリのビジネスモデル
-HTML5 対応の普及によるブラウザ機能の充実
キャリアは土管化するが、国ごとのカスタマイゼーションは残る
-汎用 OS でカスタマイズも容易に
-必ずしも一機種全世界、一アプリ全世界にはならない
未来へさらに一歩
-インターネットの進化は止まらない
-スマートフォンによって「モバイル」が進化
-閉鎖的・規制的だった通信がオープンに
加速するグローバルプレーヤー主導
まだチャンスのある日本企業
-日本のモバイルコンテンツ・ノウハウ
-技術力
2015年までにスマートフォンという言葉はなくなる
ガラケーとスマフォの完全融合
PC と Pad の境目もなくなる
回線の認識もなくなる
2020年までに日本のケータイメーカーは生き残れない
今と同じ携帯では生き残れない(買収、合併の荒波)
アンブレラ経営では生き残りは無理ということに気付くか?
→強いのは専業メーカー
2020年までにモバイルキャリアの利益率は固定並みに低下
土管化→必然的に値下げ競争へ向かう
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よし、これで社内報告用の資料も OK、と( `・ω・´)。
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因みに、他の講演はプロジェクターに映し出されるスライドを持参の
デジカメでパチリコパチリコと撮ってきてやりましたので、その画像を
パワポか何かでペタペタ貼ってちょちょいと注釈付けたらすぐに提出
できちゃうから楽なんだよん、と。今までに行ったセミナーで、他の
人がそうやってるのを真似させていただいております。電池が切れると
そこからは手書きにシフトしなくちゃならない上に、最近電池がへたって
きてるのか1日もたないんですけどね、ボクのデジカメ(´・ω・`)。
夏野氏の講演だけは始まる前に「撮影・録音は御遠慮ください」の
アナウンスが流れたのでがんばって右手首も砕けんとばかりにノートに
書き殴らざるを得なかったのですけども、まぁ実際はあちこちで
撮ってましたけどねデジカメで(´・ω・`)。
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(2) の新清士氏の講演で使われていた資料は、後で開催者のサイト
(多分ここ)にPDF でアップされるらしい。この人、いつもプレゼン資料が
Freemind で作ったマインドマップなので見にくい人もいるかもなんだけども、
内容的には中々面白かったのでアップされたら一読の価値ありだと思う。
肝(ポイント)は「北欧」と「小規模」です。
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今日のこのまとめを「アップしろ」と言ったような記憶のある方、または
その手の念を送った方。ボク、2人程心当たりがあるんですけど、その方達は
近日中にオケタニに美味しいお酒をおごりやがりなさい。
いえ、すいません、おごってください。(礼儀は忘れないボクです。)