尖閣諸島問題で大荒れの日中関係ですが。
テレビのニュースやなんかを見ておりますと、
「中国の強硬な態度!」
「日本の弱腰外交!」
「中国のネットでは更に高まる反日感情!」
「このまま領土を中国に奪い取られて日本は泣き寝入り!?」
などと、あたかも「中国という巨大な悪の帝国の陰謀によって食い物に
される弱小国家・日本オワタwwwww」みたいな報道が連日賑わっている
昨今ですけども。
先日、たまたま中国にいる友人から別件でメールが来ていたので
「尖閣諸島問題とか、大変だよね…(´・ω・`)」と水を向けてみたところ、
まあ元々中国人だ日本人だという事は別にして関係を築いていた間柄、
という事もあるからなのでしょうけども、返ってきたトーンが穏やかで、
且つ「今の状況って良くないよね…」的な、端的に言うと「こちらが
内心思っている・心配しているのと大差ない」雰囲気の返事だったのです。
何となく感じられる、日本の報道との温度差。
そんな事を思いつつネットのニュースを眺めていますと、こんな記事が
目に留まりました。
中国人が見る中国=「船長の釈放:日本の勝ち 中国の負け」 – (大紀元)
http://www.epochtimes.jp/jp/2010/09/html/d28016.html
今回起きた日中間の漁船衝突問題を巡って、中国のネット伝言板では、 中国国民の反日感情が高まっていると伝えられているが、望ましくない発言を 削除する体制の伝言板に果たして本当の状況が反映されているのか。毎日 伝言板を覗いてネットユーザーの発言をつぶさに追っているが、政権への 不満が反日感情と同じぐらい高まっている。 昨日、多くの掲示板に転載されたネットユーザーの発言を見かけた。国家の |
最後に同発言者は「この発言はきっと削除されるだろう」と付け加えた。 案の定、私がこの発言を見かけた際、すでに多くの転載先からリンクが削除 されていた。 |
日本語記事とは言え、もしかしたらこの記事もいずれ削除されてしまう
かもしれないので、「日本の勝ち、中国の負け」の根拠もここに転載
しておこう。
「日本人が勝った」理由として、この発言者は5つ挙げている。
▼「アメリカに態度表明をさせた点で成功した。米政府は釣魚島(尖閣諸島の ▼「中国のボトムラインを見極める意味で成功した。中国政府の釣魚島問題に ▼「釈放された船長を、日本側が飛行機を飛ばして中国に戻したのではなく、 ▼「船長釈放の当日、日本国内では大規模なパレードが行われ、日本政府の ▼「中国当局が民衆の抗議デモを禁止したことによって、国外には弱気だが |
一方、今回の対応で中国は完全に負けたと書き込むこのネットユーザーは、 その理由として4つ挙げている。 ▼「(漁船衝突後)即座に立場を正しく表明しなかった。主権の侵害の場合、 ▼「即座に経済交流を切断し制裁するということをしなかった」「日本人に ▼即座に国内の世論を動員しなかった。それは政府が国民を信頼せず、国民も ▼「日本に謝罪させずに、中国は自国の飛行機で船長を迎えに行ったことは、 |
無名のネットユーザーの発言ですから、どこまで論理性・正当性があるかは
ともかくとして。少なくとも、「こういう声が決して少なくない」という事は
恐らく真実なんじゃないかと思います。
これに近い論説は、日本のニュース・ブログなんかでも見られるものだ。
下記がその一例。
中国が暗黙に示してしまった「チャイナリスク」:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100928/216407/
そしてこれは中国の“断末魔の苦しみ”がもたらしたものであり、ここ 20年間にわたる中国の経済的躍進が、踊り場に来つつあること、それが 政治的自滅をもたらしかねないことを懸念しています。 (※中略) 日本の与党も、世論の突き上げを受けてたいへんでしょうけれど、中国 |
中国でそのような論調が存在している、という事は日本のマスコミ報道
だけ見ているとちょっと信じられないかもしれない。
…が、実はこんな記事がちょっと前に出ていたのだ。
[JMM]「安替:ネットメディア外交のスゝメ」大陸の風
-現地メディアに見る中国社会/ふるまいよしこ
http://www.jmm.co.jp/dynamic/report/report4_2132.html
安替:たぶん言葉の壁もあるんでしょう。ぼくもね、中国と日本の関係に 興味があるんですよ。というのも、日本のメディアは一般に、「人民日報」 だとか「光明日報」だとか、あと「環球時報(グローバルタイムズ)」 なんかを読んで中国を報道している。どれもひどい新聞なのに。日本の メディアはもっとインターネットに注目すべきですよ。一番鋭い ジャーナリストたちは新聞じゃなくて、ネット上にいるんです。 日本政府が毎年、そんな新聞社の関係者を日本に招いていますが、連中は でも、ドイツのメルケル首相は訪中して胡錦濤と会談を持ったあとに、ぼくや |
この記事は中国のインターネットの現状の一端を知るという意味では
非常に面白い記事なので、未読の方には全文の一読をお勧めします。
この辺りの記事を見ていると、『大紀元』の記事の内容にも納得がいく。
結局のところ、中国の人達も同じように考えているんだ、と。
日本でも『ネトウヨ』という、一部の過激な言動をする人達の発言が
取り上げられて「右傾化だ!」と騒がれたりもするけど、必ずしも
全ての国民がそこまで右傾化しているとは限らないでしょ。これって
つまり、「中国のネットでは…」と取り上げられている発言にしたって、
要は『ネトウヨ』と同じなんじゃないの、という事なんでしょう。
普段は別にそこまで右寄りじゃないのに、何故か掲示板にカキコする時は
妙に右寄りな発言をしてしまう、という心理も含めて。
騒ぐ声は喋る声よりも(やかましくて鬱陶しいんだけど)耳に届きやすい。
いわゆる "Silent majority" の声は、聞こえにくい。ましてやマスコミや
政府が、片方の声をもみ消しているとなったら… 本当の声がわからなく
なるのも、当然の結果でしょう。
時間が経過し、双方の政府が様々なアクションを取ることで状況は
刻々と変化すると思います。そんな中で、本当にそれぞれの「国民」が
どう思っているのか? 政府の対応は民意に沿っているのか? 民意が
ねじ曲げられていないのか? その辺を握っているのはマスコミです
(少なくとも日本では)。報道の裏にどんな真意が隠されているのか、
見誤らないように気をつけないといけないんじゃないのか、と。
そういう気がしています。
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こういう本とか読むと、もっと面白いかもしれないなぁ。
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別に、政治的にどうこう、という話じゃないんですよ。ただ、
「中国人は敵」ではないという事を忘れてはいけないんじゃないの、と
思うんです。海の向こうにいる、本物の「中国人」達が果たして何を
考えていてどういう人間なのか。それを見ずに話が進んでいくのは
おかしいんじゃないか、と思ったわけです。
何かおかしくね?というモヤモヤ感があるのです。今の状況に。
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とは言うものの、あくまで「尖閣諸島は日本領」と思ってますし、
現実に例えば中国が実効支配したりしたらそれはおかしいだろ、と
思いますけども。
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ああ、あと、現日本政府の「弱腰っぷり」も、否定しません。ハイ。
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日本大好きのオケタニですが、中国も、中国で知り合った友人も、
同じように大切なのです。
中華料理も美味いしな!( ゚∀゚) 涼しくなってきたし、そろそろ
火鍋の季節だぜー!